[た]打突の好機
だ-とつ-の-こう-き
打突をするのに良いタイミングのことで、昔から、3つの好機があると言われます。
北辰一刀流の創始者で「剣聖」と謳われた千葉周作成政が書き遺した「剣法秘訣」では、
① 相手の技の起こり頭
出頭、出ばなとも言い、相手が技を起こそうとする瞬間
② 相手が技を受け止めたところ
相手がこちらの打突を受け止めた瞬間
③ 相手の技が尽きたところ
相手の技が尽きて動作が中断し、体勢を整えようとする瞬間
の「三つの許さぬ所」を、打突の好機として上げています。
また同書では、この他にも「四つの許さぬ所」があるとしています。それらは
④相手が居着いたところ
相手の動きが鈍り、停滞した瞬間
⑤相手が退くところ
相手が攻めに屈したり体制を整えようとしたりして、退こうとした瞬間
⑥息を深く吸うところ
相手が呼吸を整えようと、息を深く吸う瞬間
⑦心の乱れたところ
驚懼疑惑が生じ、心が乱れた瞬間
です。基本的には「三つの許さぬ所」(上記①、②、③)が、逃してはいけない打突の好機です。