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[た]丹田

たん-でん

下腹部の、臍(へそ)から握りこぶしひとつ程度下へ下がったところを指します。

丹田を意識して呼吸(腹部に圧力のかかる呼吸)をすることで、打突の瞬間をより的確に捉えることができ、健康にも良いと言われています。

[た]垂

たれ

胴の下の腰部分を防護するための防具です。他の防具と異なり、有効打突の部位はありません。相手の胴打ちが外れたときに、垂があることで、その衝撃を和らげます。

垂は3枚の大垂(おおだれ)と2枚の小垂(こだれ)から成り、大垂の中央部に名札(通称:垂ネーム)を付けます。

[た]垂ネーム

たれ-ねーむ

垂の中央の大垂に付ける名札の通称です。正式には「名札」と言い、全日本剣道連盟の試合細則等でも名札と記されています。

所属団体名と姓(同一団体に複数の同一姓の者がいる場合には、識別するための名前の一部文字)を記しておきます。

[た]太刀

たち

人などを断ち斬るのに用いる細長い刃のことを指します。

「断ち斬る」の「断ち」から転じたもので、古く用いられた直刀(ちょくとう)を「大刀」と表記し、平安時代以後の湾曲があるものを「太刀」と書きます。

剣道では、試合などでの最初の打突を「初太刀(しょだち)」と言います。また、日本剣道形でも「太刀の型7本」のように、長い木刀のことを太刀を言っています。

[た]帯刀

たい-とう

本来は刀を帯に差す、または刀を帯に差した状態を指します。竹刀や木刀を左腰に引きつけた状態で、鍔に左手の親指をかけ、さやから刀を抜く様のように構えます。柄頭(つかがしら)は体の中心線の位置にすることで、右手が柄(つか)を握りやすくします。

[た]打突の好機

だ-とつ-の-こう-き

打突をするのに良いタイミングのことで、昔から、3つの好機があると言われます。
北辰一刀流の創始者で「剣聖」と謳われた千葉周作成政が書き遺した「剣法秘訣」では、

 ① 相手の技の起こり頭

  出頭、出ばなとも言い、相手が技を起こそうとする瞬間

 ② 相手が技を受け止めたところ

  相手がこちらの打突を受け止めた瞬間

 ③ 相手の技が尽きたところ

  相手の技が尽きて動作が中断し、体勢を整えようとする瞬間


の「三つの許さぬ所」を、打突の好機として上げています。
また同書では、この他にも「四つの許さぬ所」があるとしています。それらは

 ④相手が居着いたところ

  相手の動きが鈍り、停滞した瞬間

 ⑤相手が退くところ

  相手が攻めに屈したり体制を整えようとしたりして、退こうとした瞬間

 ⑥息を深く吸うところ

  相手が呼吸を整えようと、息を深く吸う瞬間

 ⑦心の乱れたところ

  驚懼疑惑が生じ、心が乱れた瞬間


です。基本的には「三つの許さぬ所」(上記①、②、③)が、逃してはいけない打突の好機です。

[ち]中段の構え

ちゅう-だん-の-かまえ

柄頭をへそのやや下、剣先を相手ののど元から目に向けて構えるもので、正眼の構え、人の構え、水の構えとも言います。

まず立位の姿勢から右足をやや前に出し、右足の踵(かかと)の位置に、握り拳一つ分くらい離して左足つま先を置くようにして正面を向くように構えます。次に左手で竹刀の柄頭(つかがしら)を握り、へそのやや下の位置にこぶし一つ分くらいの余裕を持って置き、右手は竹刀の鍔元(つばもと)を持ち、剣先の延長は相手ののど元に向くように竹刀を保持します。

攻撃にも防御にも適している、剣道の基本となる構えです。

[ち]契

ちぎり

竹刀の4つの割竹を組み合わせる際に、柄の部分にノコギリなどで切り目を入れ、その部分にはめ込んだ四角形の金属板のこと。これにより、割竹がずれないようにしています。

[ち]調整革

ちょう-せい-がわ

竹刀の弦の折り返し部に付いている革のこと。

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[ち]近間

ちか-ま

近い間合いのことで、「一足一刀の間合い」よりも近い間合いになります。

自分の打ちが容易に届くかわりに、相手にとっても攻撃し易い間合いです。また、あまりに近い状態になると、元打ちになりますので、注意が必要です。

[つ]弦

つる

竹刀の峯に渡して、柄革(つかがわ)と先革(さきがわ)とをつなぐひものことです。「げん」とも言います。竹刀では、弦が張られている側を日本刀の「峰」の側に見立てています。

弦には竹刀がバラバラにならないようにする、大事な役目があります。弦が緩いと、打突の際に割竹が先革から外れることがあり、重大事故に結びつく可能性がありますので、緩くなったら必ず張り直します。

試合のときの竹刀チェックでは、弦が緩いと通りません。また、弦の色は最近さまざまなものが出てきていますが、以前は白、黄色、紫だけが認められた色になっていました。最近はその規定は撤廃されているようですが、あまり奇抜な色にしない方が無難かもしれません。

[つ]柄

つか

刀剣や竹刀を持つための手元部分を指します。

竹刀では、持つ部分が革(かわ)でできていますので、それを指して「柄革(つか-がわ)」と言います。

剣道具店で竹刀を作ってもらうときに、床柄(とこづか)、吟柄(ぎんづか)、W吟(だぶるぎん)といった柄の種類があり、前者から後者に向う方向で、高級になります。

[つ]突き

つき

有効打突部位のひとつで、のど元の部分への打突を指します。面防具の喉部にある「突き垂」を突くことで1本となります。

危険な技であるため、有効打突になるのは高校生以上と規定されています。

[つ]突き垂

つき-だれ

面防具ののど元に付いている縦に長い部分です。

「突き」から喉を保護する役目があり、特に強固に作られています。「突き」が突き垂を外れた場合を想定して、喉を守護する「用心垂」がその下にあります。

[つ]継ぎ足

つぎ-あし

遠い間合いから打突するときに用いる足さばきです。左足を右足まで引き付け、その勢いを利用して素速く攻めていきます。

左足を引き付けることよって、実質的な間合いを詰めることができます。

[つ]鍔

つば

竹刀の柄と刀身との間に挟んで、柄を握る手を防護する部位、もしくは部具を指します。

鍔はプラスチック製、革製があります。特にプラスチック製のものは、さまざまな色のものがありますが、試合では認められない場合があります。

中学生以上の場合、試合規定で鍔にも規定があり、円形で、直径は9cm以下となっています。

[つ]鍔ぜりあい

つば-ぜり-あい

打ち合わせた竹刀を鍔部分で受け止め、押し合う状態を言います。

引き技はこの状態から体を引いて打ちます。膠着(こうちゃく)状態が長く続くと、主審から「別れ」という号令で分けられることがあります。また、無意味に鍔ぜりあいの状態に体を付け、打突意思のないと判断されたときは反則がとられます。

[つ]鍔止め

つば-どめ

鍔が外れないようにするためのゴム製のリングのことです。これを付けていないと、鍔がすぐに外れてしまいますので、必需品です。試合のときには鍔止めをつけていない竹刀は使えません。

また、竹刀の太さに合わせた適切な径のものを選んでください。最近は緩みがない鍔止めも販売されています。

[て]出ばな技

で-ばな-わざ

相手の動作の起こりを端をとらえて打ち込む技です。相手を攻めて誘って、相手の打突を引き出し、その技の起こり際をとらえて素速く打ち込みます。

出ばな技には、「出ばな面」、「出ばな小手」などがあります。

[と]胴(打突)

どう

有効打突部のひとつで、相手の脇腹の部分を刃筋正しく打突した場合に一本になります。面を打つのと同様に上に竹刀を振り上げ、その後自分から見て左斜め45度くらいの方向から相手の右胴へめがけて斜め下へ振り下ろします。実際の日本刀での刃筋と同じように、手が返った打ち方をする必要があります。

抜き胴の場合に腹部の正面をなでるような打ち方をする人がいますが、これでは元打ちになってしまい、有効打突にはなりません。

通常は相手の右胴を打ちますが、これは本来左胴には脇差し(わきざし)や太刀の鞘(さや)があり、斬ろうにも斬れないためとされています。この名残もあり、左胴(逆胴)はしっかりとした打ち方ができないと、有効打突にはなりません。特に小学生の場合には、逆胴はほとんどの場合、有効打突とはなりません。

[と]胴(防具)

どう

胴体部分を保護するための防具です。有効打突である「胴」を受ける部分でもあります。

普及品では樹脂胴が主体ですが、高級品になると、竹胴になります。竹胴は衝撃吸収に優れています。

[と]遠間

とお-ま

「一足一刀の間合い」よりも遠い間合いのことを指します。お互いの剣先が触れる程度の間合いで、自分にとっても相手にとっても遠い状態です。

稽古の中では、踏み込みを大きくするため、遠間から打つ練習をすることがあります。これにより、「我より近く、彼より遠い」間合いを修得していきます。

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