な行
[な]中墨
なか-ずみ
元は大工用語で、墨壺(すみつぼ)を使って、両端に張った墨の糸をはじいて作る中央の直線のことです。
剣道では相手の中心を意味します。
自分の剣先を相手の中心から外さないようにすることを「中墨を取る」と言います。
[な]中結
なか-ゆい
竹刀の先端から竹刀の長さの1/4のところに、竹を束ねるように締めつけている革製の紐のことです。
以前は竹刀の柄革で覆われていない部分を3等分し、その最も剣先側のところが中結の位置の目安でしたが、現在は剣先側から竹刀の全長の1/4の位置とされています。動かないようにしっかり締めて固定しておきます。
中結がゆるいと、打突時の竹刀のしなりで、割竹が先革から外れやすくなり、これが面金の間から顔や目を突くといった重大事故に結びつく可能性があります。従い、しっかりと緩みがないように結ぶようにしてください。
[な]名札
な-ふだ
中央の大垂にはめた、所属団体や名前を書いた布製の袋状のものを指します。俗名で「垂ネーム」、「ゼッケン」とも呼ばれますが、全日本剣道連盟の試合審判規則・細則においては「名札」と定義されています。
名札の様式は「紺または黒の地に白文字」と定められており、所属団体名(学校、企業、剣友会などの名称)を最上部に横書きにし、姓(同一団体内に同姓がいる場合は、名の頭文字を右下に添える)をその下に縦書きで記すことになっています。
書体に規定はありませんが、全日本剣道連盟は「明確に読み取れる名札」を推奨しており、楷書を用いるのが好ましいと言えます。
[に]二刀流
に-とう-りゅう
2本の剣を左右の手に1本ずつ持って戦う剣法です。
宮本武蔵の二天一流など、古くから伝わる剣法ですが、第二次世界大戦後、剣道が禁止され、再開されてからも二刀流の試合は永らく認められていませんでした。
平成3年に学生剣道連盟が二刀の使用を解禁し、大学生以上の試合でも二刀流が認められるようになりましたが、それまでに二刀流の使い手が減り、現在二刀流を見ることが珍しくなっています。
[に]日本剣道形
にほん-けん-どう-がた
剣道における形稽古です。単に剣道形(けんどうかた)、形(かた)とも呼ばれます。太刀の形7本と、小太刀の形3本から成ります。
戦前の武道振興団体である大日本武徳会が、大正元年(1912年)に中等学校の剣道教育用に最も基本的な動作を選んで制定した形が原型になっています。
剣道における礼法、目付、構え、姿勢、呼吸、太刀筋、間合、気位、足さばき、残心等の要素が入っており、それらの修得のために稽古します。剣道の段審査では、日本剣道形(初段から三段は太刀の形のみ、四段以上はすべて)が審査項目になっています。
[ぬ]抜き技
ぬき-わざ
相手の攻撃を体さばきでかわしつつ打つ技のことです。たとえば「抜き胴」とは、正しくは「面抜き胴」と言い、相手の面打ちを体さばきでかわし、胴を打つことを言います。抜き技には「面抜き面」、「面抜き胴」、「小手抜き面」、「小手抜き小手」、「面抜き小手」があります。
大きくかわしすぎると技がうまく出せないため、最小限の動きでかわし、相手の技を抜くことがポイントです。